日本の身体障害者を取り巻く環境を最低でも北米のレベルまで引き上げたい。アメリカ留学中に脊髄を損傷し、リハビリを終え、大学を卒業して日本に帰ってきた時から私はそう考えて活動してきました。まずは情報と選択肢の提供に取り組みました。
 25年前にアメリカから車椅子(クイッキー)を輸入して、カラフルで高機能な日常用車椅子や高機能のスポーツ用車椅子を日本に紹介したことで国内にも優れた製品を開発する企業が現れ、日本の車椅子が変わる起爆剤になったと私は自負しています。
 情報の提供としては、日本初の身障者のためのスポーツ情報誌「アクティブジャパン」を創刊しました。この雑誌も、社会の身障者スポーツと身障者に対する考え方を変えたと自負しています。身障スポーツのイメージは変わりマスコミでも報道されるようになりました。
 私は車いすでの改革を第1段階と考えます。この段階では選択肢を増やすことで、身障者に選択する権利を提供することができました。そして車いす業界に競争原理を持ち込んだことで、他の業界同様の競争や商品開発、そして顧客サービスが始まったと考えています。
 アクティブジャパンでの雑誌(メディア)による改革は第2段階でした。限られた情報しか提供されていなかった身障者に、より多くの情報、そして高いレベルの情報を提供することで「障害を持っていてもできること」、「頑張ればどこまで行けるか」が理解されたと考えます。
 そして改革の第3段階が「日本身体障害者社会人協会」による活動です。引き続き選択肢と情報の提供も行っていきますが、改革に対する実際のアクション(行動)を起こすのがこの段階の目的です。これまで「人権」を核に進めてきた障害者運動によって多くのことが可能になりました。しかしこれからは身障者側が自己責任と義務を果たすことで、次のレベルの権利や自由が獲得でき、さらに暮らしやすい社会を作ることができると、欧米の歴史からも確信しています。

日本身体障害者社会人協会 会長 山崎泰広



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